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国立能楽堂二十周年大改装 能舞台を守る男たち TEXT:新城 健一 2004.04.24(取材日2003.09.02) 国立能楽堂は、2003年に開場二十周年を迎えました。 これを機に、二十年間使いつづけてきた廊下や舞台などの大改修工事が行なわれました。 そこで、能舞台を管理する舞台技術課の荒井さんにご協力いただき、改修工事の様子や、普段の能舞台の維持管理など、裏話を聞かせていただきました。 普段見ることのできない舞台の下なども撮影させていただくことができました。 そこで働く人たちこそ、まさに縁の下の力持ちなのでしょう。
■大々的な改装 ――:今回の改装は、国立能楽堂初の大々的なものと聞いています。具体的には、どのような内容の改装なのですか? 荒井氏(以下、敬称略):今回は楽屋廊下の研磨を中心に行っています。二十年間使われてきた廊下は、能楽師の皆さんや能楽堂職員の使用で、真中が5ミリも磨り減ったのです。 ――:廊下の中央が凹んでいたのですか? 荒井:そうです。本当は、廊下の板のすべてを張り替えればいいのでしょうが、郊外に小さな家が一軒建つくらいの予算が必要となることがわかりました。256平米あるので、しょうがないですね。 ――:そこで削ることに? 荒井:そう。廊下の表面はヒノキの板で、厚さは2センチ5ミリ。最も削れていたところに合わせて全面を削っても約2センチ残るので大丈夫だろう、と判断したわけです。ただ、楽屋が和室でしょ。削ると粉塵が舞う。それが畳につくと困るので、すべてシートで覆って。一日あたり8人の大工さんや職人さんに入ってもらって、削って、ニス塗り。1回塗って、乾かして、2回目。そして磨いてから3回目。さらにウレタン塗装して、仕上げの塗装。本当に、手間がかかっているんですよ。 ――:普段のメンテナンスというのは? 荒井:舞台は音が響くようにできているんです。だから、開演前と終演後は、職員が毎回歩いて、きしみが出ないかチェックしています。それで、公演が無い日を選んで、きしみが出た場所を直すんです。舞台の下にもぐって、補修しています。その他に、毎年2月と8月に大きな補修をしていますが、今回のように大々的なものは初めてですね。
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