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能は、何に似ている? Vol.2 能楽とトランス・ミュージック TEXT:新城 健一 2004.11.26 ■伝統的な音楽とミニマル・ミュージック
指揮者の存在しない状態で、互いの間の取り方を探りながら、響かせあって奏でられていきます。そして、物語のクライマックスに合わせ、次第に力強さを増していきます。
FMラジオで番組制作をしておられる放送作家の加藤明子さんが、次のように語っておられました。
能楽の音楽でくり返される、基本となるフレーズ。そのアレンジ。速度を上げながらくり返されるフレーズに包まれるうち、心地よいトランス状態となり半ば眠るような恍惚感が得られます。
ミニマル・ミュージック(Minimal Music)は、音の動きを最小限に抑え、パターン化された音型を反復させる音楽。 ■デスメタルやホーミー
地謡の声が、ホーミー(一人で同時に二つ以上の音を発生する、モンゴルの伝統的な倍音唱法)を聴いているときのように、響いてきたという感想を聞いたこともあります。
いずれにせよ、長時間聴き続けることで、トランスしていく可能性があるものばかりです。 能舞台の上で展開される、この世とあの世の狭間の世界。その夢とも現とも言えない物語世界から響く音楽がトランス効果をもっているというのは、極めて当然のことなのかもしれません。 能は、音楽的に見ても、とても面白いですね。
▼関連情報はこちら『DEATH METALへのイザナイ』(外部リンク) 『ホーミー・ワールド』(外部リンク) 『能の演目・物語』(リンク集) 『能楽師』(リンク集) ▼前回の記事はこちら能は、何に似ている?Vol.1 『能楽堂とディズニーランド』(記事) |
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