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撮影:森田 拾史郎
TEXT:新城 健一

深井(ふかい)

既婚で、子供のいる中年の女の面。

頬の肉が落ち、あごにしわが入り、目元が窪み、全体的に彫りが深くなっています。

この面を用いるときには、装束(しょうぞく=衣装)も、茶、紺、萌黄(もえぎ)色など、落ち着いた色彩の ものとなります。

中年女は、狂女物(きょうじょもの)の主役となることが多いようです。

これは、子を失った母親の心乱れる演目が数多く作られたことによります。

能楽の成立した時代には、そうした母子の悲しみが多かったのでしょう。


代表的な使用演目
隅田川(すみだがわ) 桜川(さくらがわ) 三井寺(みいでら)
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