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能は、何に似ている? Vol.3 能楽とイラン映画 TEXT:新城 健一 2005.01.24 ■能楽とイラン映画の余韻
神、男、女、狂、鬼。
神のジャンルは、脇能とも呼ばれます。
男のジャンルは、修羅能とも呼ばれます。
女のジャンルは、鬘能とも呼ばれます。
狂のジャンルは、雑能とも呼ばれます。
鬼のジャンルは、切能とも呼ばれます。
このように、内容に応じてそれぞれのジャンルに分類される能の演目ですが、観る側にとって共通するポイントがあります。 食の観点から世界の文化にアプローチしておられるスパイス&フード研究家の佐藤和佳子さんは、観能の後、「イラン映画の余韻に似ている」とおっしゃっておられました。 ■湧き上がる娯楽
その物語の作り方は、「エモーショナル・ジェットコースター」とも言われる手法を用いています。 次から次へと、溢れんばかりの情報を投げつけ、投げかけ、浴びせていくことで、まるでジェットコースターに乗せているかのように、観客の心を翻弄します。 これは、スピードとダイナミズムという押し寄せる圧力を楽しむ娯楽と言えるでしょう。
一方、能は、観客に対して、そういった情報を浴びせ掛けるようなことはありません。 それは、自分の心の中から湧き上がる圧力を楽しむ娯楽と言えるのではないでしょうか。
押し寄せる圧力の娯楽には、その最後に「すっきりしたー!」という爆発するようなカタルシスで解放されることに心地よさがあります。 能は、後者のような楽しみ方と心地よさを感ずることのできる芸能であり、まさに、この余韻が、イラン映画に似たものなのかもしれません。 ハリウッド映画よりもイラン映画をお好みの方、能をご覧になってはいかがでしょうか?
▼関連情報はこちら『イランへの扉 映画』(外部リンク) 『イラン映画(ウィキペディア)』(外部リンク) 『NPO法人せんすがイラン、カタール、オマーン、イエメンで能楽海外公演(プレスリリース)』
▼前回の記事はこちらアーティスト・クリエイターの観能初体験Vol.1 『能を観た画家の目線』(記事) |
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