眉毛やひげなどが、外向きに力強く流れ、食いしばった歯や、鋭い目つきに、生前の勇ましさの名残が読み取れます。
『船弁慶(ふなべんけい)』という演目は、戦死した平知盛が怨霊となって現れ、源義経に襲い掛かるという内容です。長刀を持って現れ、舞台狭しと暴れまわる平知盛の亡霊に、この怪士の面が用いられる場合があります。
また、逆に、友を亡くして苦しむ男や、女と結ばれることなく死んでしまった未練のために亡霊となる男など、勇ましさとは異なる役柄に用いられることもあるようです。